2012年8月31日金曜日

ヤマユリ







今日で8月は終わりです。


8月31日というと子供の頃は夏休みの一番最後の日で、

なんとも悲しいというか切ないというか子供ながらに胸が押し迫った気持ちになったものです。

今は、「脱・ゆとり教育」と言うことで、都内の小中学校では8月の終わり頃から

2学期は始まっているようですね。



8月最後の日は、この夏出会った一番美しい花にしようと決めていました。

迷わず、高尾山の頂上に咲いていたヤマユリにします。


青空の下で咲いていた大輪の夏の花。

美しいだけでなく、野生の強さのある花。


夏の思い出とともに。




山百合(やまゆり)

ユリ科ユリ属

学名. Lilium auratum







2012年8月30日木曜日

アカンサス

アカンサスとコリント式柱頭






昨日公園のキツネノマゴを見かけてから気になっていることがありました。



まずキツネノマゴの茎の形です。

普通草花、樹木など茎や幹は断面が円形ですが、

キツネノマゴは断面が四角です。



それから葉のつき方。

規則正しい対生です。

上から小、中、大と2枚づつ互い違いにくっついて並び(6枚セット)、

四角の茎が伸びてまた小中大の6枚セット、また四角の茎、6枚セット。

というように規則正しい。

花の並び方もよく見ると規則的。



「なんだか建築物みたい・・・」

四角い茎などまさに人工的に見える。



どこかで似たようなものを見たことがある・・・

次の日にふと思い出しました。


アカンサスです。


ガーデニングが趣味の方はよくご存知だと思います。

西洋風の庭園でよく使われるものです。

同じくキツネノマゴ科。

しかしこちらはキツネノマゴに比べたらとてつもなく大きい。

高さ2mくらいのを植物園で見たことがあります。

確かに両者は大きさはかなり違いますが、花のつき方など雰囲気が似ています。



昔見たクイズでこんなのがありました。

「古代ギリシャのコリント様式建築の柱の頭部のデザインのもとになった植物は何か?」

答えは「アカンサス」

大きく切れ目の入った葉っぱがデザインに使われたそう。





アカンサスは、キツネノマゴ科のアカンサス属。

地中海または熱帯アジア、熱帯アフリカに約30種が分布する多年草または低木。

(別名ハアザミ属と呼ばれるが、葉っぱがアザミ、特に野菜のアーティチョークに似ているから・・・

仲間だから似ていたり、全く他人でも似ていたり、ややこしい~/アザミはキク科)





足元に咲く可憐なキツネノマゴは日本自生の種ですが、

その仲間がはるか古代ギリシャの建築物の造形になっていたとは!


(しかし四角い茎の形は関係ありませんでしたね)






■コリント式

古代ギリシャ建築様式のひとつであり、ドーリア式、イオニア式と並ぶ3大様式のひとつ。

溝が掘られた細身の柱身と、アカンサスの葉が象られた装飾的な柱頭を特徴とする。

現存する代表的建築物としてB.C80にハドリアヌス帝が建てたローマのパンテオンが挙げられる。

(参考ウィキペディア)


2012年8月29日水曜日

キツネノマゴ

東京西部丘陵地に咲く
キツネノマゴ
吸蜜にくるシジミチョウ





「狐の孫」と書きます。おもしろいネーミングなのに「語源は不明」と図鑑にありました。

花穂がふさふさとしたキツネの尻尾に似てると思うのですが、どうでしょう。



小さい小さい花。よーく見るとおもしろい形をしています。

唇形花といって、上唇は浅く2裂、下唇は深く3裂に切れ込みが入っています。

下唇に蜜標と呼ばれる白い模様が入っており、昆虫はこれを目印に蜜を

目指すそうです。



公園の園路脇の雑草地にたくさん咲いており、

シジミチョウが何頭も吸蜜にきていました。


小さい花に小さい蝶。なんともかわいらしい光景です。




キツネノマゴ科キツネノマゴ属

学名 Justica procumbens var. leucantha

分布 本州~九州

生息地 道端、草地

花色 淡い赤紫色、白色

葉のつき方 対生

茎の高さ 10~40cm

生活型  1年草


2012年8月28日火曜日

ヤブミョウガ


明治神宮の森にて
ヤブミョウガの群生地
女郎蜘蛛が巣をつくる








「藪茗荷」と書きます。
葉が食用に栽培するミョウガに似ていてヤブに生えるのが名の由来。




ミョウガの仲間では無くツユクサの仲間です。



ツユクサ科ヤブミョウガ属
学名 Pollia japonica

多年草

生息地 林内、やぶ、やや湿っている所が好きなようです。
分布  本州(関東以西)~沖縄

花期  8~9月
茎の高さ  50~90cm
葉のつき方は互生



今年、8月のはじめ高尾山の前の沢沿い(6号路コース)で数株咲いているのを見ました。
また明治神宮の森の林縁部に群生地があり、今たくさん咲いています。

花はひとつひとつは小さくて地味ですが、なんとも透明な美しい白い色。
樹木の影になっている少し薄暗いところで見ると神秘的な感じを受ける。



ヤブミョウガの花はひとつの株に、両性花と雄花を持っています。
両性花は雄しべと雌しべがあり、雌しべの花柱が長く、子房が発達。
雄花は雄しべのみが発達していて結実しません。

花びらはともに3枚、萼片も3枚で、見かけはとてもよく似ていますが、
雄しべより花柱がにゅーっと飛び出しているのが両性花です。




花は一日花で、午後になるとしぼみます。
花が終わると、直径5mmほどの丸い実をつけます。
実は熟すと、濃い青紫になり、艶やかに光って宝石のように美しい。





※参考 ヤマケイポケットガイド「野の花」山と溪谷社

2012年8月24日金曜日

ノシメトンボ

8月18日朝8時。明治神宮の森にて撮影。







トンボの仲間はグループごとに特徴のあるとまり方をします。

●トンボ科       羽を開いて水平にとまる(シオカラトンボ、アキアカネ)

●イトトンボ科、カワトンボ科 羽を閉じて水平にとまる。(キイトトンボ、クロイトトンボ)

●ヤンマ科    羽を開いてぶらさがってとまる。(ギンヤンマ、カトリヤンマ)

●ムカシトンボ科      羽を閉じてぶら下がってとまる。(ムカシトンボ、ムカシヤンマ )



写真のトンボは羽を開いて水平にとまっており、トンボ科の仲間。

羽の先端の褐色が特徴のノシメトンボです。

この写真ではわかりにくいのですが、腹部の先端が細く少し黄色っぽいので

若いオスだと思われます。

成熟したオスは暗赤色。メスは腹部の先端が少し膨らんでいます。

ノシメトンボはヤゴから羽化すると近辺の林の中に移動し体が成熟するまで摂食活動を行います。

成熟するとまた水辺に戻って縄張りをつくります。

ノシメトンボは人間に対する警戒が薄いと聞きましたが、この時私がカメラをかまえても

平気で目の前にとまっていました。




この日はラッキーで、同じ場所で、クロアゲハのメス、アサギマダラもみることができました。

クロアゲハのメスはよたよた、アサギマダラはすばやくサーッと飛んで行きました。

・・・写真はとれませんでしたが。(ノシメトンボだから私でも撮れたのでしょう)



■ノシメトンボ

トンボ科アカネ属 (別名クルマトンボ)

体長   45mm

発生時期    5〜11月

分布    北海道〜九州

見られる場所    丘陵地の沼や池

※参考(小学館ネオポケット「昆虫」、学研の図鑑「昆虫」)

2012年8月21日火曜日

「東京のミニパナマ運河」小名木川(おなぎがわ)扇橋閘門(おうぎばしこうもん)施設見学と舟めぐり

お天気に恵まれた日曜日、国土文化研究所主催の「東京のミニパナマ運河」小名木川(おなぎがわ)扇橋閘門(おうぎばしこうもん)施設見学と舟めぐりに参加しました。

■舟めぐり

とても、面白かった!

船上から見えた真夏の青空とスカイツリー。
くつろいでいるアオサギ、シラサギ、カワウたち。
釣りやカヌーを楽しむ人たち。
隅田川にかかる色々なデザインの橋。佃島のビルディング。

川の中から様々な東京の顔を見ることが出来てとても楽しかったです。


横十間川よりスカイツリー
カヌーを上手に漕いでいたのはなんと小学生





しかし今回は何より水防について勉強出来たことが良かった。
東北の大震災から一年半。防災の大切さを痛感した日々でしたが、この日改めて日本人が災害と戦ってきた歴史(いや今も戦っている)に少しふれた思いでした。




■江東三角地帯とは

隅田川と荒川に囲まれた地域は「江東三角地帯」と呼ばれ、昔から幾度となる洪水や高潮などの水害に悩まされてきました。

低い土地で両側をこんな大きな川にはさまれていたらそうですよね。

今は小名木川沿いはたくさんの集合住宅が立ち並んでいますが、このあたりは明治頃からは工場地帯でした。
水運はある。都市の人口に支えられた労働力はある。消費地は控えている。工場立地として好条件を備えていたのです。

しかし、産業の発展とともに工場用水として地下水を大量に汲み上げたせいで、あちこちで地盤沈下が起こりました。ひどいところでは5mも沈下してしまったところもあるそうです。二階の屋根が地面まで下がってしまうようなものですよね。ビックリです。



江東三角地帯





■扇橋閘門

江東三角地帯を流れる小名木川の扇橋閘門は、洪水や高潮などの水害を防ぐためつくられました。

特に問題は、扇橋閘門より東側の区域。こちらは地盤沈下が極端に進行した区域で、引き潮時の水面(A.P±0.0m)より低い土地です。浸水の危険性は大変なもの。
そこで、閘門等によって、この東側の水域を他の水域と区切り、河川の平常水位を低く(A.P−1.0m)保っています。区切っているから川というより「細長い池」という感じですが。
こうして水位が一定に保たれているからこそ人々が住めるのですね。

更に閘門は、洪水を防ぐために水域を区切る役割の他に、船を通過させる役割ももっています。

閘門には前扉と後ろ扉の二つがあり、船を通過させる際はニ門の扉の間に船を入れ、進行方向側の水位に調整を行った後に、進行方向の扉を開け、船を通過させる仕組みです。


私たちは扇橋閘門操作施設で実際の操作の様子を見学した後、舟で閘門を通過する体験をしました。
小さな舟には、運転する方と他9名。電気で動かしているとのことで音がとても静かです。

まず、西側から前扉があがって船が二門の間に入りました。閘門には信号がついていて青になったら扉があがるのです。入ると扉が下がります。閉鎖されたことが確認されると、水位がどんどん下がっていきます。水を抜いているのですね。
下がりきったら後ろ扉が開いて船は東側へと入ります。(ここから舟めぐりスタート)
戻るときはこの逆の水位操作が行われました。

東側に入って小名木川、横十間川を登り(えっ?上流ってどっち?)、Uターンしてまた閘門を通って、西側に入り、隅田川へと入りました。万年橋、清洲橋などの橋をくぐって、日本橋の船着場に到着。およそ一時間半のツアーでした。


案内して下さった皆様、同乗したツアーの皆様、ありがとうございました。











2012年8月20日月曜日

浜離宮恩賜庭園

せっかく浜離宮恩賜庭園に行ってきたので少しご紹介したいと思います。




■浜離宮恩賜庭園(パンフレットより抜粋)

……承応3(1654)年、徳川将軍家の鷹狩場に、四代将軍家綱の弟で甲府宰相の松平綱重が、
海を埋め立てて甲府浜屋敷と呼ばれる別邸を建てました。

その後、綱重の子、綱豊(家宣)が六代将軍になったのを契機に、
この屋敷は将軍家の別邸となり、「浜御殿」と呼ばれるようになります。

以来、歴代将軍によって幾度かの造園と改修工事が行われ、十一代将軍家斉の時代には
ほぼ現在の姿の庭園が完成。

明治維新ののちには皇室の離宮となり、名称を「浜離宮」に変更。
関東大震災や戦災によって、「御茶屋」など数々の建造物や樹木が損傷し、往時の面影はなくなりました。

昭和20(1945)年11月3日、東京都に下賜され、整備ののちに1946年4月から一般公開。
その後、昭和27(1952)年11月22日に国の特別名勝及び特別史跡に指定されました。

・入場料   一般300円
・開園面積  250,215.72㎡
・開園時間  午前9時〜午後5時





さて、現代の浜離宮庭園についてまず思うことは、庭園までのアクセスの道が好きでないこと。
浜松町駅から歩いて15分とあり便利なようですが、
高速道路と環状線が上下ダブルで走る脇の歩道を歩かねばならず、廃棄ガスを思い切りあびてしまう。
地下鉄大江戸線の汐留駅の方が若干近いようなので、次回はそちらを利用してみようと思います。

しかし、一歩庭園の中に入ると別世界。樹林に囲まれた静かな大庭園が広がっています。
入場者には無料で音声付きのガイド機を貸してくれるサービスもあります。
5年前くらいにきた時はなかったけれど、便利になったものです。

大手門から入るとまず迎えてくれるのが「三百年の松」。
このマツが凄い!!
うちの近くの公園のマツが「ヤマタノオロチ」ならこれは「松の雲海」です!

六代将軍家宣が庭園を大改修した時に植えられたものだそうで、大きさといい、
枝ぶりの美しさといい、風格といい、素晴らしいとしか言いようがない。

もっと涼しくなったら是非とも時間をとってスケッチしたいです。

マツを見ながらさらに奥に歩いていくと、
今キバナコスモスが一面に美しく咲いている広場にでます。
その広場のさらに奥にアオノリュウゼツランがニョキッと二本立っているのです。





庭園を歩いているとほのかな潮のかおりがしますが、こちらの池は、海水を引き入れ
潮の干満によって池の趣が変わる「潮入の池」です。

東京湾の水位の上下に従って水門を調節し、池の水の出入りを調節しています。
池にはボラをはじめ、セイゴ、ハゼ、ウナギなどの海水魚が生息。
水際の石にフナムシがザワザワとはりついていて確かに海のよう。

この潮入の池の中島には御茶屋があり、庭園の景色を見ながら和菓子と御抹茶を頂ける
サービス(500円〜)もあります。

その他にも将軍家が鴨猟を楽しんだという鴨場の池などを見学して……二時間ほど滞在しました。

また秋になったらゆっくり来たいと思います。




お茶屋さんで冷たい御茶と和菓子を頂きました。
とても落ち着きます。

2012年8月18日土曜日

浜離宮庭園「百年植物」アオノリュウゼツラン開花

浜離宮恩賜庭園で珍しいアオノリュウゼツランの花が咲いたというので

見に行ってきました。


とてもおもしろいというか奇怪な植物でした。


草原にポツンと二本だけ。


多肉質の巨大な葉っぱがうねる中からにゅ~っと細い茎が出ていて

多数の小枝の先に黄色っぽい花がたくさんついていました。

遠くから見ても花の周りに虫がわんわんたかっていましたよ。




アオノリュウゼツランは、昨日アップしたドラセナ・コンシンナと同じリュウゼツラン科で、

こちらはリュウゼツラン属。

成長が遅く花を咲かせるまでに数十年を要するものも多く、英名ではCentury plants

「百年植物、百年に一度開花する」と呼ばれています。(ちょっと大袈裟…)



こちらの株は55年かかって2003年にはじめての花をつけたそう。

その後2008年に咲いて今回で三回目。2株同時に咲くのは初めてだそうです。



6月下旬から花茎がぐんぐん伸び始め、高さ6mまで生長して

今月のはじめに花をつけました。


次はいつ咲くかわからないそうです。

今月下旬までは見られるそう。





暑いせいか見学者の方はチラホラ。













2012年8月17日金曜日

ドラセナ・コンシンナ

ドラセナ・コンシンナは観葉植物で常緑の低木。

リュウゼツラン科ドラセナ属に含まれます。

リュウゼツランの仲間はアメリカ大陸を中心に世界の熱帯、亜熱帯に分布します。

特に乾燥地に多い。

多肉性のものも多くみられます。

メキシコのテキーラだったか強いお酒の原料はこの仲間だそう。




ドラセナ属にはハワイで幸せを呼ぶと言われている「幸福の木」マッサンや

「青年の木」と呼ばれたユッカ(ツンツン尖った葉が上に伸びる)も含まれます。

以前贈り物などで流行りましたよね。




コンシンナはマダガスカル島が原産地。

直射日光を好み、日が当たると葉の色も冴えます。

しかし真夏の直射日光は葉焼けを起こしますので避けましょう。

乾燥に強いので、忙しくてつい水やりを忘れがちな方でも育てやすい木です。









人物も描いてみたくなり。

主役は左端のコンシンナなのですが。

2012年8月16日木曜日

ヒメジャノメ

公園などでよくみる地味なチョウです。


裏側の羽にある大きな目玉と白い帯が特徴ですね。

表側には前羽に目玉が二つあります。

似ている種にコジャノメがありますが、白い帯がまっすぐではなくS字カーブを描いていて

色も全体的にもっと暗い。生息場所も山間部の暗い木陰などで、個体数は比較的少なく、

よく見られるのはヒメジャノメの方です。


私がよく行く公園の池の周りの草地でもよく見られます。ササ類も多いし。

写真は早朝散歩した時に撮った一枚です。

二頭は雄と雌だと思うのですが、どっちがどっちかよくわかりません。

図鑑でみると雄は羽の色が暗いのですが、写真では下のチョウが陰になっていて

やっぱりよくわからない~。



■ ヒメジャノメ

・タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科

・体長 40~50mm

・発生時期 5~11月


・分布  東アジア、東南アジア、日本

光が差し込むやや明るい疎林に生息し、低い所を飛ぶ。

幼虫期はアズマネザサ、チヂミササ、ススキなどイネ科植物を食草とする。

成虫は花より腐果、獣糞、樹液などに集まる。

薄暗いときによく活動する。




2012.8.6朝7時撮影

なんとかピンボケでなかった…

2012年8月15日水曜日

ケヤキ

ケヤキは日本の代表的な広葉樹の一つ。

山野に自生するほか、庭木、公園樹、街路樹として

植えられています。

特に関東地方に多く、生育も良い。

高さは20~25mですが、なかには50mを超す巨大樹も。

ほうきをさかさにしたような樹形が美しい。


秋はサビ色に紅葉します。

冬には落葉して美しい枝ぶりを鑑賞することができます。





表参道のケヤキ並木は大変立派で有名ですね。

しかし人通りの多いところでスケッチブックを開く勇気はなく

近くのカフェの前にある街路樹をスケッチ。





ニレ科ケヤキ属、学名Zelkova serrata Makino


Zelkovaはコーカサス地方のケヤキの呼び方、

serrataは鋸歯のあるという意味、葉の形状から。

Makinoは学名を命名した牧野富太郎博士。







このカフェは一度だけ入ったことがありますが、ガレットがおいしかった。

また行きたい。

2012年8月14日火曜日

ハナミズキ

わが愛しの地元商店街です。

電柱が地中化されていて、歩道の舗装もインターロッキングです。

ヨーロッパを思わせるデザインの街灯も好きです。





ここの街路樹は、高さ4mほどのハナミズキ。5月に、白い花を咲かせます。

落葉高木。ミズキ科。

ハナミズキは、1912年、東京市がワシントン市にサクラを送った返礼として

1915年に日本にやってきました。今年はサクラ寄贈100周年とかで交流イベントも行われたとか。


花、紅葉、赤い実と、季節を通じて鑑賞が楽しめるので、

街路樹、庭木として人気を博しています。






右側にあるのは老舗の和菓子屋さん。くず餅で有名です。

かなたに見えるのは東京タワー。



いつもは朝9時ごろとなると通勤通学の方々で商店街の人通りも多いのですが、

今日はお盆ということで、いつもより静かです。












2012年8月13日月曜日

明治神宮の森


8月12日(日曜日)


早朝から明治神宮にでかけました。朝7時半。原宿駅を降りると歩いてすぐ。一礼をしてから大鳥居をくぐり、長い参道を歩きました。参道の両側には全国から献木されたクス、シイ、マツなどの大木の森(面積70万m2、365種)が鬱蒼と広がっています。まだ参拝客も少なくとても静かです。


以下神宮の森について文献より一部抜粋。「…明治神宮は他の多くの神社が従来の祭神を勧請してつくられたものと違って、明治天皇、昭憲皇太后を祭神としてまったく新しくつくられた神社であった。…(中略)…内苑は神のお庭であって公園ではない。神苑にふさわしい森厳な気分を出すことを主眼とする。…(略)…彦根藩井伊家の下屋敷のあったっところで、…この地域の在来種13000本があったが、全国よりの献木10万2000本、諸官庁より譲りうけた8000本、購入の分27000本を加えて、すべて12万5000本の樹木で森林が造成された。この土地本来の広葉樹の森を再現することが目的である。…/日本の公園(田中正大、鹿島出版会)」


御社殿にて参拝。ニ礼ニ拍手一礼。広場の左右に鎮座する巨大な御神木のクスが見事です。お参りをすませると、内苑北側の広場の方に移動しました。ひらけた草地の奥にある宝物殿の屋根と背後に見える新宿のビル群の景色のコントラストが面白い。草地に座ってスケッチブックを広げる。


宝物殿となりの弓道場では大会が行われるらしく、袴姿に長い弓を持った方々が集まっていました。袴姿にリュックサックと運動靴といういでたちがミスマッチでなんだか親しみがわく。


広場の隅ではディキャンプのイベントが開催されていて、小中学くらいの子どもたちが沢山いました。突然AKBの音楽がかかって女の子たちは踊り出すわ男の子はホウキでエアギターをはじめるわ、賑やかで楽しそうです。しかし明治神宮に来てヘビーローテーションを聴くとは思いませんでした(笑)。




■ 宝物殿 / 重要文化財

・校倉風大床造り(鉄筋コンクリート造り)
・展示品 明治天皇、昭憲皇太后御物
・土日祝日のみ開館






2012年8月12日日曜日

真夏のアンスリューム

8月11日土曜日

8月も中旬に入り、毎日暑いですね。

まちを歩いていると上からは直射日光、下からは照り返し、そして横からはビルの室外機の排熱と…三方からの熱で暑いのなんの。とうとう我慢できなくなると、冷房が効いたところを探して避難します。

冷房が効いている屋内でしばし涼をとるとだんだん元気も回復。

今日は近くの商店街にある商業ビルの屋内広場に一時避難。スーパーやベーカリー、ブティックや旅行会社などが入っているビルの一階部分はベンチなどがあり、買い物客などが休めるスペースとなっています。

その屋内広場の中央には直径3mほどの大きな円い花壇があり、季節ごとに色々な草花が植え替えられています。

久しぶりにきた広場ですが、花壇を見ると真っ赤なアンスリュームがぎっしりと植えられていました。

といっても地植えにしてあるわけではなく、ポットのままで置かれているような状態ですが。

それにしても暑くてボーッとなった脳みその奥までしみてくるアンスリュームの鮮やかな赤、赤、赤!

肉厚で光沢があってとてもトロピカル。


ところでアンスリュームの花は面白い形をしていますね。一枚の丸い花びらが大きなめしべをくるっと巻いているような感じです。

この花びらのようにみえるのは、実は葉っぱ(苞)で「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれています。仏炎苞は、蜜を吸いにきた虫をできるだけ長く閉じ込めておくためにこんなかたちをしていると言われています。

実際の花は真ん中の「肉様花序(にくすいかじょ)」と呼ばれるものです。

葉っぱを見ると、サトイモそっくりですが、アンスリュームはサトイモ科に属しています。
熱帯原産のサトイモ科観葉植物の中で葉を鑑賞するのは、カラディウム、シンゴニウム、ポトス、モンステラ、セロームなど。


花を鑑賞するのはアンスリュームやスパシフィラムなど。中でもアンスリュームは園芸品種も多く、仏炎苞も赤、白、ピンク、黄色と多彩で人気があります。

管理方法としては直射日光は避け、土が乾いてから水をたっぷりと与えます。高温多湿を好むので時々霧吹きなどで葉水を与えると良いです。寒さには弱いので冬は室内のなるべく暖かい所に置きましょう。



さて、アンスリュームから元気をもらったので再び炎天下の戸外に戻ることとします。





2012年8月10日金曜日

マツ、Ever Green

近くの公園で、時々マツをスケッチしています。
マツは池の岸辺から水面の方に向かって何本も分かれた枝を伸ばし、まるで生きもののように激しくくねらせています。私は勝手に「ヤマタノオロチ」と呼んでいて、見るたびにその迫力に圧倒されます。

春にはクロッキー帳に2Bや4Bのエンピツで荒々しい幹肌を強いタッチで描きました。細い針葉はHBを紙に垂直に立てて一本一本細かく描きました。そして、最後に練り消しで葉の先端部分をさーっと撫でるように消すと、松葉がけむるように見え、面白いなと思いました。







今日はペンなので、消しゴムは使えません。針葉が力強く見えるように先端から根元の方向に力を入れてスッと抜く様なタッチで描いていきました。遠くから見てもマツの葉というものは一本一本力があるように見えます。心の中で力を込めて描きました。

六本の「撞木(しゅもく)」と言われる丸太を組んだものが水面すれすれに伸びている枝を支えているのも良い景色です。絵では撞木を全部描ききれず省略しました。

始めの構図は、主題のマツを中央に置き、遠景に見える岸辺の雪見灯籠や根元にあるツツジやツゲの低木類もいれてみたのですが、マツの迫力が生かされていない気がして、描き直しました。

こういう時、安いF1のスケッチブックなのでとても気が楽です。次は思い切って、マツと池の水面だけの構図にしてみました。最後にバランスを考え下の方に少し紙を足し、縦長の枠にしました。

マツは春も夏も秋も冬も同じ顔で池の岸辺に佇んでいます…花は無いけれどとても存在感がある堂々とした池のマツ。季節の花が見つからない時、「そうだ。マツを描こう」と、ここに来てしまうのです。






2012年8月7日火曜日

ザクロの向こうの夏の空

昨日は久方ぶりの雨でいくぶんしのぎやすかったですが、今日はまたまた35度の真夏日。

炎天下のお昼前、所用で図書館に調べ物に出かけました。道の途中、公立の小学校があり、道路沿いのコンクリートの高い壁の上から枝をのばしているザクロの木を見つけました。
見るとたくさんの青い実をつけている…「これは良い題材を見つけた」と、さしていた日傘を地面に置きスケッチをしました。

時計はまもなく12時。
たわわに実をつけたザクロの枝はよくしなっていてなかなか良い木陰をつくってくれていたので、その下でペンを走らせます。

木の下から見上げると、少しだけ秋の顔を見せはじめたザクロの実と夏真っ盛りの青い空とのコントラストがおお素晴らしい!

先端が少し割れて開いている丸い実はあっちをむいたりこっちをむいたり。緑の葉っぱもウジャウジャとあっちむいたりこっちむいたり。それでもよくみると葉っぱはちゃんと枝に対生についていて効率よく太陽の光をうけられるべく基本の形は出来ています・・当たり前か。一つ一つ一枚一枚描いて行く。なかなか楽しい。

途中、風で日傘が飛ばされ、あわてて追いかけてちゃんと閉じてから道端に置きなおしました。元の視点の位置をまたさがして続けます。

ザクロと言えば小さい頃読んだギリシャ神話にあった死の国の王ハデスにさらわれた大地の女神の娘の話を思い出します。大地の女神は地上のすべての作物を枯らすほど嘆き悲しんで娘を取り返しに行きますが、一歩違いで手遅れになります。
それは娘が死の国の食べ物を口にしてしまったからでした。その食べ物とはたった4粒のザクロの実・・・そのイメージがあってあまり食べたいと思わなかったのですが、一度食べてみたら甘酸っぱくて美味しかった記憶があります。




先週高尾山の頂上で見たガマズミも秋の準備をしていたけれど
こんな身近でも小さな季節の変化を見つけることができて嬉しかったです。



2012年8月6日月曜日

オシャレなコシアキトンボ



セミたちが大合唱する近くの公園を通ると、池に10数匹ものコシアキトンボが飛んでいるのが見えました。白と黒のモノトーンがちょっとオシャレです。



このトンボは成熟したオスの腹の部分が白い帯をしているように見えるので「腰空蜻蛉」と呼ばれています。未成熟のオスとメスは黄色い帯です。

池の水面をぐるぐるぐるぐる飛んでいるのは全員成熟した白帯たち。
オスは水面上に自分の縄張りを持っていて、ホバリングしたりとなりのオスを追いかけたりと、とてもせわしないのです。
写真を撮りたかったけれど、全く止まってくれないので私のデジカメ(腕?)では撮れませんでした。


そのうち小雨が降ってきましたが、気にせず旋回を続けるトンボたち。しかししばらくすると一匹また一匹と姿を消し、見えなくなってしまいました。公園の水鳥たちだけが雨の中気持ち良さそうに泳いでいます。



ここの池の水は青緑色によどんでいますが、コシアキトンボはそれほどきれいでない水でも平気です。おかげで都心部でも夏によく見られるのです。


■DATA
コシアキトンボ
トンボ科ベニトンボ亜科
低地の木かげのある池や沼に発生する。体長4~4.5cm。本州~南西諸島に分布。
成虫が見られる時期6~9月。


近くの公園。

いつもカバンに入れて持ち歩いている

F1の小さなスケッチブック

に描きました。ペンと水彩。

マンガみたいになってしまいましたが、
こんな感じの樹林地に囲まれた
池にコシアキトンボはすんでいます。

メスは普段は樹林地にひそんでいて

水面に浮く木片や葉などに産卵します。


2012年8月2日木曜日

高尾山

平成24年8月1日(水)


山好きの友人らと三人で高尾山に登りました。

11時、高尾山口の駅を降りると構内にツバメの巣。可愛いヒナが5羽ピイピイと鳴いています。皆かなり羽がはえそろっていて、時々飛ぶ練習をする姿が微笑ましい。巣立つ日も近そうです。

高橋屋で昼食をとってからスタート。もう12時です。夏の強い光と濃い木陰のコントラストの中、涼しい沢沿いの道をゆっくりと登りました。途中あちこちでヤマユリが美しく咲いてます。ヤマユリは夏の女王……堂々たる雰囲気です。

一番始めの事件は、琵琶滝そばの沢をヨタヨタと飛ぶクロアゲハとの遭遇。後ろ羽に赤い模様があり、メス(夏型)です。しかし何だか様子がおかしい。どうも産卵する葉をさがしている行動のように見えます。クロアゲハはミカンやカラスザンショウが食草ですが、見つからないのか私たちの顔のすぐ前をヨタヨタいったりきたりしていました。

その後頂上付近ではヤマユリの蜜を吸うオスのクロアゲハ(後ろ羽に白模様、夏型)を発見。しかしあっという間に力強く大空へと飛んで行ってしまいました。他にもモンシロチョウ、キチョウ、シジミチョウ等もいました。それから綺麗なオレンジ色の中型のチョウも。一瞬だったのでなんの種類かはわかりませんでしたが。

でも今回はアサギマダラに会えなかったのが残念でした。高尾山は食草のキジョラン(鬼女蘭と書く。怖いですね。ガガイモ科)が多く、たくさんいるはずなのですが……。
アサギマダラには毒があります。そのため鳥たちは食べません。毒成分はどこからきたのでしょうね。頂上のビジターセンターで私たちのお喋りを聞きつけて、職員の方が説明してくれました。食草のキジョランやオオカモメヅル(ガガイモ科)の葉に毒成分があるためという説と成虫が好むヒヨドリバナやフジバカマの蜜が毒だからという説があるとのこと。皆で興味深く拝聴。

しかし敵から身を守るために毒成分をたくわえて武装するなんて……昆虫たちの知恵には改めて脱帽させられます。
ビジターセンターを出ると四時。頂上を吹き抜けた一陣の風にほんの少しだけ秋を感じました。







ガマズミが秋の準備をしている
(頂上にて)