(参考:山と高原の地図「高尾・陣馬2012」昭文社)
赤い線が登山ルート(ケーブルカー、1号路、4号路)。
頂上から少し下った地点、薬王院の近くがムササビを見た所です。
この地図を作ってみて、高尾山からしみだした沢の水が川になり周囲を流れているのが
よくわかりました。
沢と尾根が入り組み傾斜地も多く変化に飛んだ地形であることもわかります。
豊かな水と変化に富んだ地形。
これらが多様な植生をつくりだし、ムササビの棲む森をつくっているのです。
私達が見たムササビのすんでいるところはは落葉樹が多く、針葉樹が少し混在する明るい森です。ブナやケヤキなどの葉っぱや実などを食べて生きているのですね。
以下、文献より抜粋。
■高尾山の地形
高尾山は東京の西のはずれにあります。
高尾山から山地がはじまり、さらに西へと関東山地が続く。
高尾山は一億年近く前の中生代白亜紀の海に堆積した小仏層群という地層になります。小仏峠の名を取ったこのこの地層は非常に厚く、高尾山周辺から西へ神奈川県、山梨方面まで広く分布している。高尾山の沢沿いを歩くと砂岩、粘板岩、頁岩が見られる。場所によってはチャートも見られる。小仏層群の上には関東ローム層の赤土が堆積している。標高599mと低い山だが、地形の開析が進み、多くの沢が入り込み斜面も急である。
★タマのメモ
高尾山の沢沿いの道を歩くと、山道に粘板岩(硯や碁石の材料になる)が生き物の歯のようにむき出しになって並んでおり、それを踏んで歩くと足の裏のツボにあたって気持ちいいです。
出会った小さいお子さんに「これ、なあに?」と聞かれると
「大昔に大きな大きな龍がいてその死体が高尾山になったんだって。このギザギザの石はその龍の歯が残っているものなんだよ」
と今まで三人くらい(たぶん小学生)に話しました。
ごめんなさい。勉強したのでこれからは上記のように説明しよう(たぶん)と思います。
■高尾山の植物、生き物
植物種約1300種(イギリス一国の植物種に匹敵、東京都自生植物の55%、一つの山での植物の多さは日本一)。
昆虫約5000種(大阪の箕面山、京都の貴船山と並ぶ三大昆虫生息地)。
シジュウカラ、オオルリ、ルリビタキなど鳥類約70種。
ムササビ、タヌキなど約25種の哺乳類。
モリアオガエル、ヒダサンショウウオなど10種以上の両生類、アオダイショウ、ニホントカゲなど8種以上の爬虫類が生息していると言われている。
(※2012高尾森林センターパンフレット等より)
★タマのメモ
こうやって調べてみると本当に高尾山ってすごい山だなあと思う。こんなに都心に近い所に多種多様な生き物が暮らしているのですね。
■高尾山の歴史
714年に聖武天皇の勅命を受けた僧・行基によって開山されて以来、代々にわたり守られてきた。
戦国時代に高尾山を支配した北条氏照は「山中に入り、やたらに木を伐採してはいけない」と制札を掲げている。江戸時代に移っても森林の保護は続く。
江戸時代の代官・大久保長安は1591年の制札で高尾山の竹林の保護を命じている。
明治に入り1889年に高尾山の森林の大部分は皇室の御料林とされ、さらに戦後の1947年に国有林となった。
現在でもその森林は自然休養林や国定公園に指定され、大切に保護されている。
(※2012高尾森林センターパンフレット等より)
★タマのメモ
時代時代で保護され守られてきた高尾山。
だからこんなに自然が豊かなのですね。
現在一年間の登山者数は260万人を超え、世界一だと聞いたことがありますが、林道の裸地化など問題になっています。うーん、あんまり行かないようにしようかなあ。
今回上の登山ルートで観察した植物は、常緑高木6種、落葉高木9種、常緑小高木2種、常緑低木2種、落葉低木4種でした。落葉樹が優先する混合林ですね。
野草は6種です。
ヤマホトトギスとタマアジサイの花がきれいでした。
シキミはかわいい実をつけていました。
昆虫類は7種見つけました。
↓植物と虫のリストはこちらです。「日本の樹木」「日本の野草」(ともに山と溪谷社)などを参考に説明をいれた表をつくりました。
空き時間に少しずつつくりましたが思ったより時間がかかってしまいました。ふう…。