2012年10月24日水曜日

モッコクは庭木の王様


先週の木曜日頃。

とても天気が良く。

お昼ごろ。


渋谷区の上宮寺というお寺さんの前を通った時、赤いかわいい実をいっぱいつけている

もっこりした木を見つけました。

遠目からは赤いものが花なのか実なのかよくわからなかったけど。



(作業中の職人さんの車。ちょうど休憩中で皆さんで缶コーヒー飲んでましたよ)






上宮寺さん。ちょっとお邪魔しまーす。


近くでよく見ると。

実がはじけて中から赤い種が飛び出しているのが見えます。

おお!これはモッコクだ。








ツバキ科モッコク属。常緑広葉樹。

7月頃地味ーな白っぽい花をつけますが、夏ごろは全然気が付きませんでした。

皆に気が付かれない。そんな花です。




モッコクと言えば。


もう20年以上も前。


植木にとてもとても詳しい銀座生まれの先生について数人で松戸市の公園を歩いていた。

先生はある木の前でぴたっと停まられ開口一番「モッコクは庭木の王様です!」とおっしゃられた。

どういうところが王様なのか説明があったかよく覚えていないが、質問がはばかれるほど先生が自信満々でいらっしゃったのだけはよく覚えている。

若かりし私は、その固そうな葉っぱの、平凡な樹形の、面白くもなんともないフツーの木だな・・・と心の中で思ったものである。

しかし年月がたって私もいいオバサンになって、たまにモッコクを見かけると、「なんかいいな」と思うようになった。なんというか安定感というか安心感というか。

モッコクは特に剪定をしなくても丸くてきれいな樹形になる木である。子供がクレヨンで丸く描く木の絵に似ている。


しかし最近ではオリーブとかシマトネリコとか枝が暴れる木が人気があるようである。モッコクのような優等生タイプよりも野生児的な感じが魅力なのでしょうか。たしかにビルだらけの東京に住んでいると野生を感じさせるものが恋しくなる。せめて木ぐらいワイルドに・・・というか。


それに「ウチのシンボルツリーはモッコクよ」というより「オリーブよ」とかの方がなんとなくオシャレに聞こえる・・・のか。




下の絵は今年の5月21日に千葉の方の森でスケッチした高さ6~7mのモッコクの大木です。


新緑の時で、それはそれは緑がきれいでした。モッコクは日当たりがいいと新芽が赤い

のですが、その時はよく気が付かなかった。







剪定などされていない自然のまんまのかたちです。


やっぱり「庭木の王様」・・・なのかな。