お天気に恵まれた日曜日、国土文化研究所主催の「東京のミニパナマ運河」小名木川(おなぎがわ)扇橋閘門(おうぎばしこうもん)施設見学と舟めぐりに参加しました。
■舟めぐり
とても、面白かった!
船上から見えた真夏の青空とスカイツリー。
くつろいでいるアオサギ、シラサギ、カワウたち。
釣りやカヌーを楽しむ人たち。
隅田川にかかる色々なデザインの橋。佃島のビルディング。
川の中から様々な東京の顔を見ることが出来てとても楽しかったです。
横十間川よりスカイツリー
カヌーを上手に漕いでいたのはなんと小学生
しかし今回は何より水防について勉強出来たことが良かった。
東北の大震災から一年半。防災の大切さを痛感した日々でしたが、この日改めて日本人が災害と戦ってきた歴史(いや今も戦っている)に少しふれた思いでした。
■江東三角地帯とは
隅田川と荒川に囲まれた地域は「江東三角地帯」と呼ばれ、昔から幾度となる洪水や高潮などの水害に悩まされてきました。
低い土地で両側をこんな大きな川にはさまれていたらそうですよね。
今は小名木川沿いはたくさんの集合住宅が立ち並んでいますが、このあたりは明治頃からは工場地帯でした。
水運はある。都市の人口に支えられた労働力はある。消費地は控えている。工場立地として好条件を備えていたのです。
しかし、産業の発展とともに工場用水として地下水を大量に汲み上げたせいで、あちこちで地盤沈下が起こりました。ひどいところでは5mも沈下してしまったところもあるそうです。二階の屋根が地面まで下がってしまうようなものですよね。ビックリです。
江東三角地帯
■扇橋閘門
江東三角地帯を流れる小名木川の扇橋閘門は、洪水や高潮などの水害を防ぐためつくられました。
特に問題は、扇橋閘門より東側の区域。こちらは地盤沈下が極端に進行した区域で、引き潮時の水面(A.P±0.0m)より低い土地です。浸水の危険性は大変なもの。
そこで、閘門等によって、この東側の水域を他の水域と区切り、河川の平常水位を低く(A.P−1.0m)保っています。区切っているから川というより「細長い池」という感じですが。
こうして水位が一定に保たれているからこそ人々が住めるのですね。
更に閘門は、洪水を防ぐために水域を区切る役割の他に、船を通過させる役割ももっています。
閘門には前扉と後ろ扉の二つがあり、船を通過させる際はニ門の扉の間に船を入れ、進行方向側の水位に調整を行った後に、進行方向の扉を開け、船を通過させる仕組みです。
私たちは扇橋閘門操作施設で実際の操作の様子を見学した後、舟で閘門を通過する体験をしました。
小さな舟には、運転する方と他9名。電気で動かしているとのことで音がとても静かです。
まず、西側から前扉があがって船が二門の間に入りました。閘門には信号がついていて青になったら扉があがるのです。入ると扉が下がります。閉鎖されたことが確認されると、水位がどんどん下がっていきます。水を抜いているのですね。
下がりきったら後ろ扉が開いて船は東側へと入ります。(ここから舟めぐりスタート)
戻るときはこの逆の水位操作が行われました。
東側に入って小名木川、横十間川を登り(えっ?上流ってどっち?)、Uターンしてまた閘門を通って、西側に入り、隅田川へと入りました。万年橋、清洲橋などの橋をくぐって、日本橋の船着場に到着。およそ一時間半のツアーでした。
案内して下さった皆様、同乗したツアーの皆様、ありがとうございました。